病院概要

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病院長挨拶


病院長  髙蓋 寿朗

 舟入市民病院の125年を超える歴史は,明治28(1895)年現在地に伝染病患者を収容する「広島市西避病院」を開設したことにはじまります。その後,感染症,被ばく者医療,小児科を中心とする救急診療など,その時代に求められる広島市の政策医療を担う施設として,その機能を発揮してきました。

 そのような当院が2020年はじめから世界的な脅威となった新形コロナウイルス感染症に第2種感染症指定医療機関として対峙することとなったのは,まさに宿命であったようにも思われます。

 私は,20194月に当院の病院長に着任しましたが,まさか1年以内にこの感染症によるパンデミックが始まるとは正直思っていませんでした。

 20201月中国から,未知の新興感染症(その後,COVID-19と命名)の流行が発生したとの情報が入り,我が国でも陽性者が確認され,国内でも対策が始まりました。当院も1月末には陽性者の受け入れ体制を整え,3月から陽性者の診療が始まりました。当初は感染力,病原性,治療法すべてはっきりしない中で,「医療従事者にも死者が出ている」という報道を耳にしながらの対応で,「一体どうなるのだろう」という大きな不安感が院内に漂っていました。その後,20231月までの累計で,新規の入院症例2000名以上,かぜ発熱外来において診断,初期治療を実施した症例6000名以上,診断後に症状悪化した方を外来で診療する陽性者外来において2500名以上と,計1万名以上のCOVID-19症例を受け入れてきました。

 20235月からはCOVID-195類感染症となることが決まり,当院の指定医療機関としての役割も一区切りを迎えます。この疾患の流行は今後も繰り返されることが予想され,当院はひき続き可能な対応を継続していきます。

 一方で,今後は,以下にお示しするように,これまで縮小を余儀されなくされていた感染症以外に対する診療について,新たな時代の中でのあり方を見直していきたいと考えています。   

小児科:この3年間も途切れることなくその機能を維持してきましたが,ひき続き地域の基幹施設で有続けたいと考えています。また,先頃公表された2030年に開設予定の広島県の高度医療・人材供給拠点病院に,当院の小児科部門は移転することが予定されていますので,円滑な移行と機能維持が図れるように広島県,広島市等との協議をしていきます。

小児心療科:小・中学校の子どもを対象として,現在増加している「こころの問題」に取り組み,健全な子どものこころの発達と成長を医療の面から支援しています。

内科:呼吸器内科,血液内科,消化器内科,脳神経内科を中心として,地域の診療所との連携に加え,高度医療機関からの亜急性期から回復期の症例の受け入れに努めて,その機能を発揮します。

外科:昨年度に「そけい・腹壁ヘルニアセンター」を開設し,良性外科疾患の手術の拠点となることを目指しています。良性疾患とはいえ,生活の質に大きな影響を与える疾患の診療を安全に実施できる施設でありつづけたいと思っています。

麻酔科:2022年度に,広島大学と連携寄付講座として「地域麻酔医蘇生学講座」を院内に設置しました。これにより,3名の麻酔科医による安全な手術管理を可能とし,麻酔学分野の学術研究にも協力しています。

 このように,当院は比較的小規模の病院でありながらも,公立病院として地域が求める政策医療に貢献できるよう努力しています。

 市民の皆さんに「舟入市民病院があってよかった」と感じていただけるような病院でありたいと願っています。今後もよろしくお願いします。

2023年(令和5年)1月
広島市立舟入市民病院 病院長  髙蓋 寿朗

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