よくあるご質問

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便に血がまざる ~大量出血に注意~

2016年11月9日

質問

57才の男性です。以前から排便後に肛門部が膨らみ自分で押し戻していましたので、痔があると思っていました。病院にかかったことはありません。便通はよいのですが、2~3日前から排便時に便に血がついています。痔が悪化したのでしょうか。

回答

肛門から血液が流れ出す状態を下血(げけつ)、便に新鮮な血液が混じったものを血便といいます。消化管からの出血が原因ですが、上部消化管からの出血が腸管内で変化をうけて黒色になったものを下血(黒色便あるいはタール便)といいます。小腸より下からの消化管出血は概ね鮮紅色を示しますが、盲腸や上行結腸など大腸からの出血でも黒色便となる場合もあります。横行結腸以下の出血では肛門に近づくほど鮮紅色が強くなります。便の表面に血液が付着する血便は大腸下部のS状結腸や直腸からの出血が考えられます。

下血や血便の原因は腫瘍性、炎症性、血管性、その他に分けられます。腫瘍性のものとしては大腸がんをはじめとした消化管がん、ポリープ、血管腫、他臓器がんの浸潤などが、炎症性のものとしては潰瘍性大腸炎、クローン病、感染性腸炎、薬剤性腸炎、腸結核、出血性胃炎などがあります。また、血管性のものとしては胃十二指腸潰瘍、虚血性腸炎、憩室出血、出血性腸炎、痔出血などが、その他のものとして出血性直腸潰瘍、単純性直腸潰瘍、孤立性直腸潰瘍症候群などがあげられます。

注意を要する症状として、大量出血があるとショックを起こすことがあります。冷や汗や顔面蒼白(そうはく)、血圧低下などがある場合には大量出血を疑い救急病院に受診する必要があります。治療は原因によって異なりますが、大量出血の場合には輸液や止血剤のほか輸血を行って状態を安定化した後、出血源の検索が必要です。内視鏡検査で出血源が明らかになった場合には内視鏡的止血術が有効なことがあります。

便と混ざっていない鮮血が出た場合は痔が原因のことが多いのですが、日本人の三人に一人が痔にかかっているといわれますので、痔のある方が直腸の病気を併発することも珍しくありません。この方の場合も粘膜脱を呈する痔はあると思われますが、便に血液が混じていることから大腸下部のがんやポリープなどの腫瘍性病変との鑑別がもっとも大切だと考えられます。診断には大腸内視鏡検査が確実です。簡単に行えますので、ぜひ消化器科のある病院を受診されることをお勧めします。

(リビング広島2004年4月10日掲載)

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